上中城

別名 田中城
        田中ノ小城 
付近住所 京都府京都市右京区京北上中町  現在- 
2009/10/12 案内板アリ 日本城郭大系


 京都市右京区京北上中町城下町に所在する上中城(田中の小城)は、天皇を退位した院の御所を警備する北面の武士の一人によって天仁年中(西暦1108年〜1110年)に築かれたと伝えられています。この北面の武士は、蔵人大夫正平の末裔九郎国眞であるという伝承が残っていますが、確かなことはわかりません。
 しかし、京の都と丹波や丹後地域を結ぶ周山街道沿いの要衝が築城の場所として選ばれていることは、築城者が院政期の政権と強く結びついていた可能性を示すものかもしれません。
 実際、平成5年から平成7年に実施された発掘調査により、この城は12世紀から13世紀を中心に使用されていたことがわかりました。
 上中城は、東西84m、南北40m、周辺部の水田より1m程度盛り上がった城内部分の面積が3.000u余り(史跡指定範囲は4.810u)あります。城の周囲には幅5m、深さ1mの濠が廻り、城内の北端部に幅5m、高さ20mの土塁が築かれていることが明らかになりました。
 京都市内には、140余りの城郭がありますが、平地に築かれる城の形としても非常に珍しい楕円形である点、平安時代末期に遡る非常に古い城である点 、城郭全体が良好で残っている点など特筆すべき特徴があることから、後世に残していきたい貴重な文化財として平成17年に京都指定史跡になりました。